北斗の拳の「トキ」と「和道流」の共通点 - 和道系の空手道場、横須賀令空会が語る

注)本記事の内容は、執筆者の個人的な解釈を多分に含んでおり、必ずしも一般的な見解と一致するものではありません。

本日は、筆者の人生のバイブル、漫画『北斗の拳』に関する話題です。北斗の拳に登場するキャラクターで、北斗四兄弟の次兄トキは、ラオウの弟であり、ケンシロウの義兄でもあります。トキは、北斗神拳の伝承者候補として非常に優れた才能を持っていましたが、世紀末核戦争の影響で病にかかり、その道を閉ざすことになります。

トキの最大の特徴は、その華麗で無駄のない動きです。北斗神拳は、経絡秘孔を突くという特殊な技法を伴いますが、その基礎となるのは、洗練された身体操作です。トキは、敵の攻撃を最小限の動きでかわし、最小の力を最大の攻撃へと変換します。

ラオウとトキは、同じ北斗神拳を修めた兄弟でありながら、対照的な拳法の使い手です。ラオウは、その圧倒的な破壊力を持つ「剛の拳」を体現し、トキは、華麗で無駄のない「柔の拳」を体現します。この「剛」と「柔」という対比は、空手道の世界にも見られ、特に「柔の拳」を体現するトキと、和道流空手には、興味深い共通点が多く存在します。

「剛の拳」ラオウと「柔の拳」トキの対比

ラオウは、その巨大な体躯と圧倒的なパワーを活かし、正面から敵をねじ伏せるような攻撃を得意とします。彼の拳は、まさに「剛の拳」であり、破壊と力強さを象徴しています。一方、トキは、その細身な体格からは想像できないほど、しなやかで無駄のない動きで敵を翻弄します。彼の拳は、相手の力を利用し、最小限の力で最大限の効果を発揮する「柔の拳」と呼ばれています。

 「柔の拳」トキと和道流の共通点:無駄のない動きと合理性

トキの「柔の拳」は、まさに和道流の目指すところと一致します。和道流は、柔術の「流し」や「捌き」の技術を取り入れ、相手の力を利用し、無駄のない動きで効率的に攻撃することを重視します。トキは、ラオウのような圧倒的なパワーはありませんが、相手の攻撃をかわし、その勢いを逆利用する戦い方を得意とします。これは、和道流が追求する「合理性」に通じるものです。

和道流の創始者である大塚博紀は、柔術を学んだ経験から、力任せの攻撃ではなく、相手の力を利用し、体の中心軸を意識した合理的な動きを重視しました。この点において、トキの「柔の拳」と和道流の身体操作には、共通の理念を見出すことができます。

相手の力を利用する「流し」の技術

トキの技の中には、相手の攻撃を受け流し、その勢いを逆利用するようなものが多く見られます。また、相手の攻撃を真正面から受け止めず、いなしたり、ずらしたりすることで、相手のバランスを崩し、無力化するシーンも見受けられます。これは、まさに「流し」の技術であり、和道流の大きな特徴の一つです。

和道流は、柔術の「流し」の技術を空手に取り入れ、より効率的な防御と攻撃を可能にしました。相手の力を受け流し、その勢いを逆利用して攻撃する、あるいは相手の体勢を崩して投げるといった技術は、トキの戦い方と非常に似ています。

「柔」の中に秘められた「剛」

トキの「柔の拳」は、単に柔軟なだけではありません。その動きの中には、正確なタイミングで急所を突く「剛」の要素も含まれています。これは、和道流が単に受け流すだけでなく、その後に的確な攻撃を繰り出すことを約束組手の中に組み込こんでおり、共通点としてあげられます。

和道流は、相手の力を利用するだけでなく、状況に応じて的確な攻撃を繰り出すことを重視します。相手の体勢が崩れた瞬間を見逃さず、正確な打撃で勝負を決めることが、和道流の理想的な戦い方であり、トキの「柔の拳」の中にも、同様の「剛」の要素を見出すことができます。

まとめ:異なるアプローチが生み出す共通の境地

北斗の拳のラオウとトキは、「剛」と「柔」という対照的な拳法の使い手として描かれていますが、トキの「柔の拳」は、和道流の理念と深く共鳴します。無駄のない動き、合理性、相手の力を利用する技術といった共通点を通じて、トキの拳と和道流は、異なるアプローチでありながら、武道の極意に通じる境地を追求していると言えるでしょう。

漫画の世界と現実の武道、一見すると異なる両者ですが、人間の身体能力と精神性を追求するという共通の目標を持っているという点で、深く繋がっているのです。


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